学習障害>読み書き障害>書字障害
学習障害(LD)の一種である書字障害(ディスグラフィア)。「読み書き障害」と言われることもあるけれど、「読み書き障害」と「書き障害」は別物ではないかと、書字障害の子を育てていて思う。
いろいろ情報を探していると、読字障害(ディスレクシア)のほうが研究は進んでいるようだ。欧米では読字障害のほうが多いらしいのが一因かもしれないし、読めなければ必然的に書けないわけで「読み書き障害のほうが重大」と思われているのかもしれない……それはさすがにないか。
どちらにしても読み・書きは手・目・脳の協調運動だから、その障害の原因もやはり手・目・脳の複数の機能にまたがり、まだ推測段階らしい。当事者によってあてはまる原因(の組み合わせ)も違うから、誰にでも有効な指導法・訓練法というのはない。
ADHD起因の書字障害
うちの場合、読みには何の問題もない。 手の器用さや、注視に多少苦手はあるかなというくらいで、大人向けの本でもすいすい読めるしちゃんと理解している。しかしとにかく書けない。平仮名・カタカナ・アルファベット・数字・小学2年生くらいまでの漢字はまあ書ける。書けるけれども時間がかかるし、文字を書いているだけで疲れてぐったりしてしまう。画数の多い漢字はお手上げ、何回練習しても覚えないし、覚えたと思っても数日たてば混乱してしまう。おそらく、画や部首の組み合わせとしてではなく、全体のざっくりした姿で文字を認識している。ベクター画像じゃなくビットマップ。だから記憶容量を食う。
漢字はもういいや、キーボードで漢字変換はできるし、と私も開き直っていたのだけれど、英単語の綴りも覚えられないことが判明した。3~4文字くらいはできても、chocolate, sandwich はきつい。それを知って、これは書字障害というよりADHD、継時処理の弱さの表れでは?と思い至った。情報を順番に処理できない。全体をガサーっとインプットしてしまう。当然アウトプットするときは順番を再現できない。ならば書字だけの問題ではなく、順序や正確さが問われるすべての事柄に関わる問題だ。開き直ってやりすごすだけでは済まない。
加えてパターン化の弱さも関係しているだろう。何千字もある漢字を覚えられるのは、パターンを見つけ、さらにパターン同士を組み合わせて大きな部品として認識しているからだ。でもADHDだと、パターン認識に弱さがでることがある。たとえば、同じ考え方で解ける計算問題が並んでいても、各問題をイチから考えてしまう。 これも単に算数苦手で済ませてよいことではない。
だから、あらためて漢字や綴りの訓練を考えることにした。漢字や綴り自体を覚えることが目的ではなく、継時処理の訓練として。
触るグリフ、エスピエ、ぷりっとデコペン
触るグリフ、というのが良さそうだ。ADHDと書字障害の関連をしっかり認識されているのが心強い。文字が盛り上がって印刷されているシートを触りながら書き順を声にだすことで、視覚・聴覚と同時に触覚の刺激も得られる。書字障害のない人が書いて触覚を刺激するのを、書かずに代替できる。視線では「見たつもり」で細部(横線何本?上に飛び出る?跳ねる?)までは見ていないことを自覚しにくいが、指でなぞれば「なぞりおとし」は起きにくい。
https://sawaruglyph.com/
ただ、なかなか高価(3・4年の漢字シートが12800円)なので、まずはDIYで真似してみる。
エスピエ
インクが盛り上がるペンを探したら「サクラクレパス エスピエ」があった。ただ既に廃盤。あるネットショップに辛うじて在庫があって購入できた。
しかし使ってみたら……
○:しっかり盛り上がるので、指でなぞればハッキリ凹凸がわかる。
×:使いにくい!インクの出る量をコントロールできない。線はガタガタ。
×:だから小さい字を書くのは無理。4㎝角くらいで書くしかなく、30字くらいでインクが無くなる。
だから、これで漢字学習は無理。
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