金持ちほどケチだっていう通説がある。旅人が金持ちに宿を断られ、隣の貧乏人に泊めてもらう話なんか日本昔話にもイソップにもアンデルセンにも、聖書にもあった気がする。
ケチだからこそ金持ちになれた、ケチでなければなれない、と考えることもできるが、違う見方に気がついた。
金持ちは金のない状況に慣れていない。暮らしのあれこれ、トラブルや不安、楽しみ、などを金で解決するのが当たり前になっている。だから、金がなくなることを恐怖するのではないか。
一方、貧乏人はまあ金のないのに慣れている。諦めること、代わりの方策を見つけること、クヨクヨしないこと、小さな喜びをよく味わうこと、などのスキルを(いささか不本意ながら)磨いてある。金がなければ、ないなりに暮らすしかなかろう、と思っている。
だから貧乏人は旅人を泊められる。
貧しきものは幸いなり、とは天国に限らないかもしれない。(雨風がしのげて飢えない程度であれば)
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