桐光学園大学訪問授業から気になっていた湯浅さんの本を図書館で見かけ『どんとこい!貧困』というタイトルに惹かれて読んだ。彼の主張にはもともと完全同意なので驚きとか初耳とかはないんだけど、自己責任論や成果主義やグローバルなんたらや、仕方ない気分にだんだん流されていく自分をときどき正気に戻すために折々読みたいと思った。
湯浅さんの本というのは案外ないんだ(ほとんどは共著、対談)ということのほうが面白かった。あくまで活動家なんだ。活動家とはつまり疑問や意見を堂々と声に出すひとであって、駅前や広場でギター片手に歌ってる人が奇異に思われないくらい、そんな人がそこらじゅうに当たり前にいるのが市民社会じゃないかという説明が腑に落ちた。
『貧困についてとことん考えてみた』は茂木健一郎さんが、湯浅さんの案内で札幌・大阪・沖縄の「パーソナル・サポート・センター」を訪れたの記。うんと困っているひとは大抵、幾つもの絡み合う困難にさらされているという実態に対応すべく考案されたというパーソナル・サポートという仕組み、とても良いと思う。ソーシャルワーカーが孤軍(は言い過ぎかもしれないが)奮闘していた状況に、明確に各分野の行政サービスを巻き込んだということだろうか。この町ではどうなっているだろうか。
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