読み始めたばかりだけど、これは面白い。Amazonレビュー32件中、31件が星5、あと1件が星4!なのも納得。
自殺者の割合が(島をのぞいて)日本一少ないという徳島県海部町についての研究報告。海部町にも自殺要因(経済的困窮、病気、高齢化、天災などなど)は普通の町と変わらずあるのに、実際に自殺するひとが少ないのは「自殺予防因子」があるからだという仮説に立って、海部町の特性を調べたというもの。
まず第一に揚げられた「いろんな人がいてもよい、いろんな人がいたほうがいい」という信念があたりまえに根付いていること。これを私たちグループも積極的に強化していきたいと思った。
私がここに惹かれたのはまさにそのような風通しの良さを直感したから。いろんな人がいてもよい、という考え方がある程度共有されているとは思うけど、自分の思うことを自由に表明できるようにはなってない。そこをもう一歩推し進めたい。
子ども時代の話をしたり思い出の品に触れたりすることが、高齢者の脳の働きを活性化するのに有効であるとの研究を知ったのは、のちのことである。あ、やっぱり。お年寄りは語りつぐのが仕事っていう考えは間違ってないな。
おそらく離島は一般的でないということで、対象外になっているけど、「周りからある程度区切られている、独立している」ということも
コミュニティの質を高める要因だとおもう。自分たち意識が強くなる。自分たちでなんとかしなきゃとなる。
だから、海だけじゃなく、川で区切られていたり、山に囲まれている(盆地)ことも特徴として評価したらよかったんじゃないか。
同時に、完全に孤立しているのではなく、回路があることも。
そう考えると東京近郊はのんべんだらりとどこまでも広がりすぎだ。あれは神経に障る気がする。
結局、人間には、ほどよく開かれ、ほどよく閉じている、ことが大事なんじゃないか。
地形しかり、集団の流動性しかり(メンバー交代)、建築しかり、精神衛生しかり。
集団の流動性がどの程度が一番いいか、という研究をしている人がいないだろうか。知りたい。10年で3割くらいは変化していい気がする。
自殺予防因子:
- いろんな人がいてもよい、いろんなひとがいたほうがよい
- 右習えの行動がすくない。赤い羽根共同募金、老人クラブ
- 朋輩組。会則なし、入退会自由、新入りイジメなし
- 「誰に投票するかは、個人の自由や。人に強制やしたら、いまの言葉でいうたらなんじぇ、ダサイ、ちゅうんか。野暮なことやと言われる」
- 特別支援学級の設置に反対
- 右習えの行動がすくない。赤い羽根共同募金、老人クラブ
- 人物本位主義をつらぬく
- 教育長に商工会議所の41歳を任命。学歴より問題解決能力
- 年上=偉いではない
- 教育長に商工会議所の41歳を任命。学歴より問題解決能力
- どうせ自分なんて、と考えない
- 選ばれて議員になったからには、古参も新人も同等や。どんどん意見を言わんといけん
- 「病」は市に出せ
- 助けを求めることを恥ずかしいと思わない
- うつ受診率が高い・・・軽症のうちに来院する
- 「しっとる?○○さんな、うつになっとんじぇ」「ほな、見にいてやらないかん!」「行てやらないかんな!」
- 助けを求めることを恥ずかしいと思わない
- ゆるやかにつながる
- 人口密度はすごく高い(狭い土地に密集)
- 隣人間のつきあいは・・・必要があれば過不足なく援助する・・・どちらかといえば淡白なコミュニケーション
- 日常的に協力、よりも、最小限のつきあい、よりも、「立ち話程度のつきあい」が多い
- 人間関係が固定していない。朋輩組、当屋、など複数の輪(同心円でない)
- 人口密度はすごく高い(狭い土地に密集)
歴史:
江戸初期に材木の集積地として発達。よそから労働者が流れ込んだ。その後も人の出入りの多い土地柄。
スイッチャ―になれる人達
関心はあるが、監視しているのではない
一度目はこらえたれ
サロン機能を持つ場所がおおい。共同洗濯もの干場(近所の空き地)、墓地、商店、公民館、老人センター、「みせづくり」(かつての商品棚、いまは縁台として利用)、寺や神社が多い。「いつでも」「行きたいときに」「自分の力で」行ける。
地理的風土(地形・気候)と人やコミュニティの気質に関係があるか?
全国の町村で、自殺率と
人口、面積、人口密度、可住地人口密度、可住地標高、海岸部属性、島属性、単一島属性、海域、平均気温、降水量、日照時間、最深積雪量
の関係について調べた
自殺率にもっとも影響するのは、可住地傾斜度、次いで可住地人口密度、最深積雪量、日照時間、海岸部属性
→自殺が少ないのは「傾斜の弱い平坦な土地で、コミュニティが密集しており、気候の温暖な海岸沿いの地域」
→多いのは「険しい山間部の過疎状態にあるコミュニティで、年間を通して気温が低く、冬季には雪が積もる地域」
多発地域のような環境では「気軽な関わり」が難しいことから、自分でなんとかしなければならないと追い込まれやすいのでは。
提案:
いいとこどり、「どうせ」と言わない、「幸せでも不幸せでもない人が最も多い」、ルールより「野暮」感覚の共有
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