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オフリド(2009/05/10-12)

晴れ。

 アルバニア国境はプレハブ小屋と4人の係員(うち2人は休憩中)でのんきなものでした。少し歩いてマケドニア側は高速道路料金所並みにはガッチリしていました。どうせ待ち構えてるだろうタクシーを拾えばいいと思っていたら誰もいなくて、遠くに見える人家までテクテク歩きます。
 人家と思ったのは国立公園で、ホテル・レストラン併設の聖ナウム修道院でした。土産物屋、カフェテリア、観光客、案内看板、まるっきり普通の観光地で、さっきまでいたポグラデツが(共産時代からの)観光地といっても諸々ベーシックな部分に心許なさを感じさせたのとの落差に少し驚きます。湖に流れ込む池の水がとてもきれい。
 ここでバスを待って(定期ボートは "no boat. bus" ということで、夏だけの営業でしょうか)オフリドの町へ。現地通貨がなくてハチミツ売店でユーロを換えてもらいました。1ユーロ=60ディナール。ベトナム、アルバニアではレートや丸めでちょっと得しようという気配を感じましたが、マケドニアは誰でもこのレートでした。そういう所で安定感を感じます。まぁ誤魔化しにくいしね。
 バスは国境まで戻って、居る人を拾うルートでした。これが定期運行しているならタクシーにの出る幕はないはず。1時間位乗って1人110ディナール(2ユーロ弱)だもの。しかし暑かった。この後マケドニアで乗った全てのバスが蒸し暑かった。開けられる窓がごく少ない一方、空調は音ばかりで効かなくて。とはいえ、少なくともこの時期、別に困りはしないです。ゆるゆる安全走行であることのほうがずっと大事。

 町外れのターミナルで降りて、センターへ歩く途中で自転車の人に声掛けられ、そのまま彼の宿 "Antonio" へ。hostel でも B&B でもなく、private room というんでしょうか。静かな住宅地、小さいけどバスタブ有り(共同)、洗濯無料、WIFI有、ツインで20ユーロでした。一家の雰囲気からして、あまり騒がしい客は引かない気がします。勧めてもらったレストラン "NEIM" の鶏グリル、皮がぱりっとして美味しかった。
 マケドニアの外食と言えばSKALA(グリル)みたいなので、せっせと食べました。ソーセージ、鳥肉ベーコン巻き、チーズ入りハンバーグ。少し塩がきついけど肉の味が濃くて、ボリュームもドンとあって、しっかり肉を食べた!満足感が。野菜は、、、キュウリ(おいしい)、トマトくらいしか。何か野菜はありますか?と聞いて、野菜?うーん野菜ね、、、作ってみるよ、とでてきたのがミックスベジタブル温めたものだったり。市場裏手、三角マークの看板が目印 "Denic Gril" でした。皆さんエジプト出身だそうです。野菜はともかく友好的な店でした。

 この町には犬のガイドが居ます。というわけではなくて、散歩中の犬について行っただけですが。それで旧市街のある丘をぐるっと、夕陽の湖を見ながら歩いたのが楽しかった。

マケドニア国境付近
池。水中植物や魚の群れ
聖ナウム修道院。孔雀放し飼い。クレタの修道院にも孔雀が。マケドニア紙幣にも孔雀が。
オフリド湖
ガイドさん


キリル文字を作った兄弟
宿の窓から。
美術館外観。中は撮影禁止。その内装が良かった。

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